ゲーム音楽業界メモ(週間ファミ通特集より)

こんにちは、木こりです。

私は物心ついた時からテレビゲームが大好きでした。
思い出の随所にその当時にプレイしていたゲームがあり、今でもそのゲームのことを考えるだけで当時の私の思い出が呼び起こされるようなタイムカプセル的存在になっています。

そんな私もゲーム業界に入りたいという願望はありましたが、現実はそうならなりませんでした。
単純にそうなる方向への努力と熱意がなかったのだと思います。

とまぁなんで突然このような話をするのかというと、少し前に読んだファミ通において通巻1600号記念特集ということでゲーム音楽の特集が組まれていたんですね。

ファミ通読むなら断然dマガジンがお得な話

2018年10月21日

そこでゲーム音楽業界では有名な方々のインタビューを読んで、今からこの業界に入る若者へのアドバイスも多く書かれており、
「ヘェ〜、そうだったのかぁ」
と思うことが結構あったので、ゲームの仕事をしたい昔の自分が一瞬出て来ちゃったからなんですね(笑)

個人的には目から鱗のことが多く、ゲームをプレイするのは好きだが業界のことに関しては素人の私には勉強になることが多かったです。

私はゲーム業界に携わったことがないただのゲーム好きですので、これを読んだからと言ってゲーム業界への就職を手助けする記事ではありません。

ですので、備忘録として私が気になった部分だけ記事にして残しておこうと思います。
皆さんも人のメモを見るような、そんな軽い気持ちで読んで頂ければ幸いです。

業界では有名な7名のインタビュー

まず今回の特集でインタビューを受けていたのは7人。カッコ内はその方が作曲を行った代表的なゲーム作品。(清塚信也さんはクラシックのピアニストのためゲーム作品は無し、また栗田博文さんは指揮者ですのでゲーム作品は無し)

  • 植松伸夫さん(ファイナルファンタジーシリーズ)
  • 古代祐三さん(アクトレイザー)
  • 光田康典さん(クロノトリガー)
  • 坂本英城さん(大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)
  • 浅野隼人さん(アトリエシリーズ)
  • 清塚信也さん
  • 栗田博文さん

植松さんはもう誰もが知っているようなレジェンド的存在ですよね。
個人的に面白かったのがサウンドヒーリングのセラピストの資格を持っていること。
還暦の大ベテランにも関わらず、興味が湧いたことは勉強したくなる意欲はさすがだと感じました。私も見習うべきとても大事なことです。

古代さんの名前を知ったのは最近ですが、ゲーム業界の記事を読んでいると頻繁目にする名前という印象がありました。
それもそのはず、あのアクトレイザーの音楽を作った方だったんですね。
スーファミ当時にあの綺麗すぎる音楽を作ったということで、業界のあらゆる方の注目を集めたことで名前がよく出ていたようです。
私も当時アクトレイザーをプレイしており、その斬新なゲームシステムにばかり目が奪われていましたが、よくよく言われてみるとめっちゃ綺麗な音楽でした。
ファイナルファンタジー4開発終盤だった植松さんがBGMを作り直したという逸話は「勇者ああああ」で知りましたが、それくらい凄いということですね。

いつもいいプレゼンをありがとうございます

そして私が光田さんの名前を知ったのも「勇者ああああ」でした。
こちらもクロノトリガーという偉大すぎるゲーム自体に注目してしまい、当時小学生だった私も作曲した人の名前を調べるには至りませんでした。
しかし、クロノトリガーのゲーム中の曲は常に私の「木こり・オブ・ザ・イヤー」の上位に食い込んで来ます。

光田さんの名前を教えてくれありがとう

坂本さんは今回の特集記事を読むまでは私も名前は存じ上げておりませんでした。
しかし作曲したゲームはスマブラシリーズ以外にも「勇者のくせになまいきだ。」、「無限回廊」シリーズ、「428〜封鎖された渋谷で〜」といった数々の作品がある有名な作曲家です。
そして作曲家でありながら会社の経営者でもあります。
ゲーム音楽ビジネス関するプレゼンを行っている面白くて為になるファミ通さんの記事がありますので、興味があれば下記からどうぞ。

記事を読むだけで講義の興味深さが伝わってきます

浅野さんは今回出てくる方の中では若手になりますが、若者の道しるべ的存在としてファミ通でも取り上げられていました。
興味深かったエピソードは、「前もって次に制作予定の資料を見て、どんどん社内サーバーにアップロードしていった。その結果、当時の宣伝担当者が曲を聴いてくれて採用された」という話です。
前もった準備と努力が他者の目に留まり上手くいったお手本のような話ですよね。

そして清塚さんはクラシック・ピアニストという立ち位置で紹介されていました。
最近テレビで目にすることも多く、私が好きな2BRO.の方々とも親交が深いということもあって何か一方的に親近感が湧いてしまいます。。。
今はApex Legendsにハマっているらしく、音楽番組で三浦大知さんと本番直前までずっとゲームの話で盛り上がっていたそうです(笑)
ファミ通の記事の中で特に気になったのは、清塚さんがスーファミの「ガイア幻想紀」が大好きだったという話。
私もパッケージや名前は知っていましたが、プレイしたことがなかったので気になって買っちゃいました。
またプレイした感想は別記事で紹介しようかなぁと思います。

中古ゲームを安く購入する方法

2019年8月11日

栗田さんに関しては存じ上げませんでしたが、ゲーム音楽のオーケストラと言えば指揮者はこの方だそうです。
指揮していて楽しいジャンルはバトルBGMとのこと。

植松さんとも一緒に写っていますね

今は外注が多い?

で私が気になったのが清塚さんを除く5人の現在の所属です。

  • 植松伸夫さん
    →株式会社DOG EAR RECORDS、有限会社SMILEPLEASE代表
  • 古代祐三さん
    →株式会社エインシャント代表取締役社長、株式会社JAGMO名誉会長
  • 光田康典さん
    →有限会社プロキオン・スタジオ取締役社長
  • 坂本英城さん
    →株式会社ノイジークローク代表取締役CEO
  • 浅野隼人さん
    →フリーの作曲家

ゲームメーカーに所属している作曲家が1人もいないんですよ。

何か私のイメージとして、各ゲームメーカーにはそれぞれサウンドクリエーターがいて、その方々がゲーム音楽を作曲しているという漠然な認識がありました。

ファミ通のインタビューの中で光田さんが言っていましたが、メーカーがサウンドスタッフを募集することが減っているようです。
その理由として、
「サウンドの作業はゲーム開発の最後になることが多く、それまでにサウンドクリエイターを放置させるのは勿体無い」
とのこと。
それが理由で外部に発注するケースが増えているんでしょう。

下記のサイトではゲーム音楽の外注についてもう少し詳しく考察されています。

出典元:https://www.nextdesign-jp.com/gamemusic_gaichu.html

ファミ通のインタビュー内において坂本さんも
「メーカーに入って音楽を作るのはあまり意味がない時代」
と言っているくらいです。

「餅は餅屋」といった具合で、専門会社に任せる時代になっているのかも知れません。

これから業界を目指す若者へのアドバイス

これからゲーム音楽業界を目指す方にとっては有難いことに、
「こういうことをやった方がいいよ」
というアドバイスもインタビュー内で皆さんおっしゃっています。

植松伸夫さんのアドバイス

  • 人と同じことはやるな
    (人の意見や流行ばかりを追いかけると、本当の自分を見失ってしまう)
  • 「どうしてもここれだけは大好きだ」というものを持つこと

ウィーン少年合唱団を聞いたことがこの業界に入るきっかけとなった植松さんは、音楽は全て独学(普通の大学内でジャズ理論、楽典、現代音楽の本を読み漁った)でした。

「プロの作曲家になる人は勉強することはなく、放っておいてもどんどん作曲していく人がプロになる」とインタビュー内でも話していたように、音楽の技術云々よりも、自分の中にある音楽への思いの強さを重視するようなアドバイスだと思います。

その理由として、
「今の時代は比較的簡単に作曲が出来てしまう」
「強い決心を持たないと何かでへこたれた時に、すぐにしぼんでしまう」

という懸念があるからなんですね。

古代祐三さん&光田康典さんのアドバイス

  • アピールするにも一定の基準よりも数段レベルの高いものにしないといけない
  • コミュニケーション能力が大事
    →しっかり会話して、どんな曲を求めているのかをしっかり理解して、こちらの問題も相手に理解してもらうのに必要

古代さんはプログラマーであったことから自身で音楽ドライバを製作したり、光田さんもプログラムやマニピュレートの経験があったりと、自分の能力とハードが時代に入ってこれたと話しています。

しかし今の時代
「技術の発展とともに音楽制作の敷居が大きく下がった」
「音作りやレコーディングなど音楽に関することを最初から全てできないといけない」
「今はゲーム本数も多いので突出した曲を出すのは並大抵のことではない」

といったように、全体的に業界に入るハードルが上がっている印象を受けました。

ちなみに古代さん曰く、サウンドがわかるディレクターがゲームメーカーにいると有難いそうですので、ディレクターとしてメーカーに入る予定の方は参考になるのではと思います。

坂本英城さんのアドバイス

  • とにかく良い音楽を作る
  • 自分をプロデュースする

小さい頃からピアノをやっていた坂本さんだから言える音楽の品質に対するアドバイスと、会社経営者として培われたプロデュース力に関するアドバイス。
2種類の坂本さんならではのアドバイスなのではないでしょうか。

ちなみに坂本さんも音楽系の大学へは進学せず、作曲は完全に独学。
「音楽は人に教えてもらうものではない。作曲という分野は特に」
という植松さんと似たような感覚なのかも知れません。

そういう坂本さんでさえゲームメーカーには就職できず、フリーランスとして働いて今に到るんですから、人生とは分からないものですね。

浅野隼人さんのアドバイス

  • Microsoft Officeのソフトを使いこなせるようになっておくこと
    →事務的な仕事も多く、ワードやエクセルはよく使う
  • 曲を聴いた時に抱いた感情を自分なりに言語化出来るようにすること
  • 自分が感じたゲーム体験を、どのようにしたら周りの人に伝えられるか、具体的なアウトプット方法を勉強しておく

他の4人とは違った具体的なアドバイスを頂いています。

浅野さんは4歳から音楽教室で鍵盤を習っており、その練習時間は毎日3時間、多い時は土日で10時間もしていたそう。
そして面白いことにファミ通のゲーム音楽特集を見てゲーム音楽の仕事を意識し始めたそうです。
ちなみにそんな浅野さんでガストの採用面接で落ちたということですから、この業界のレベルの高さは底が知れません。

まとめ

  • ゲーム音楽は外注することが多い
  • 音楽は業界に入った後であったり独学で覚えた人も多い
  • 今の時代作曲は簡単に出来る環境にはあるが、頭角を現すのが難しい
  • 音楽的な技術よりも決心やアピール力、コミュニケーション力が重要

このインタビューを読んで私の受けた印象ですが、思っていたよりもこのゲーム音楽業界は狭き門のようです。
さらにゲームの本数が増えたことと、誰でも簡単に作曲が出来る環境が整ったことによって競争はより激しいものになっています。

でもそんな時代だからこそ植松さんは強い決心を持つ大切さを語っていたのでしょう。

私が好きなアーティストの歌詞に下記のようなものがあります。

世間じゃ自分の子供に就いて欲しい職業ランキング第1位:公務員
親が安定を望むのは 当たり前
俺も孫にこう言うよ
そいつに何の才能もなかったとして
なのに音楽の夢なんか追っかけてしまったとして
そろそろ業界もヤバそうだからさ
『素敵なミュージシャンになれよ!』


それじゃあ、またなっ!

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