ここではTEPPEN WORLD CHAMPIONSHIP 2019における決勝戦、Taiga選手とtarakoman選手との1戦目の対戦内容から、個人的に勉強になったプレイをメモ代わりに記録させて頂いております。
盤面をひっくり返すような派手なプレイに目を奪われがちですが、トッププレイヤーの方々は地味なところでも確実なプレイを心がけており、一手一手に意味を持たせてプレイしているんですね。
何気無いプレイ内容においても、
- 自分だったらどうプレイしちゃっていたか
- どうしてそうしたのか?
という点を意識しながら試合内容を見返してみました。
ちなみに私とは到底違うレベルの試合内容ですので、私の思い違いによる考察も入っているかも知れません。
1戦目(あくび春麗vs抗体の活性化ジル)
ガイルの出しどころが渋い
試合中盤において、春麗側の盤面には1/6シールド付き「アイリス」と3/6状態の「グラビモス」がいる状態です。
ジル側はここで2/5の「ガイル」を盤面に置くのですが、1/6シールド付き「アイリス」の前に設置します。
ちなみにこの時ジル側はまだ探索は2回しか出来ていない状況で、手札には「ナッシュ」がある状況です。
自分の場合、まず攻撃力が高い方の「グラビモス」の攻撃をブロックすることと、破壊させて探索回数を稼ぐことに注力してしまいそうですが、tarakoman選手はそうはしませんでした。
「ガイル」で確実に倒せる「アイリス」の前に設置するんですね。
そしてその後、春麗側が上段に2/5「クルルヤック」を出してきます。
そこでも下段の「グラビモス」よりも上段の「クルルヤック」に手札のもう一枚の「ガイル」をぶつけることを選んでいます。
実はこの「グラビモス」には「あくび」が付与されており、それを破壊することで大きくMP差をつけられることを嫌ったプレイではないかと、私はそう単純に考えておりました。
それではこの時「あくび」が付与された「グラビモス」を破壊していたらどうなっていたか?
これに関してはもう少し後で考察したいと思います。
シールド読みのアクティブレスポンス
ジル側が「グラビモス」を無視することを利用して、春麗側は「俊敏」を「グラビモス」に付与して無視できないユニットに育てようとしている場面です。
ジル側のEXポケットに「衝撃」があるため、手元にシールドカードがなければ「グラビモス」は落とされてしまいます。
しかし春麗側は相手が「衝撃」を持っていることを把握していますし、手元に「防御フィールド」が来ています。
つまり、「衝撃」を防ぐカードがあるため、強気で「俊敏」を使っていけたんですね。
しかし当然、ジル側も相手に「衝撃」を防ぐカードがあっての一手だと理解しています。
その上で、tarakoman選手が返した一手は「アイリス」に「疑心の中の信頼」を使って破壊を狙う作戦です。
これに対して「アイリス」に「防御フィールド」を使うことは出来ないため、結果的に「アイリス」は破壊されてしまいます。
ジル側にとっては青MPで「アイリス」を処理できて、手札も回せて良い感じの一手になりました。
これが仮に「防御フィールド」でなく「アイリス」にも使用できる「三角跳び」であったとしても、「アイリス」に使用すればその返しで「グラビモス」は「衝撃」で破壊されていたことでしょう。(そこまで攻めるかどうかは難しいところですが、相手が長考しているようであれば可能性はありそうです。あ、でも長考が長考が演技だったらヤバいか…)
私のようなプレイヤーであれば、相手のアクションカードを無効にするような強い一手で返すことに必死になってしまい、視野が狭くなりがちです。
ですので、最初の「俊敏」に対して単純に喜んで「衝撃」を撃って、それに「防御フィールド」で返されて絶望していたと思います…。
ある程度のプレイヤーは、こちらのEXポケットの内容を把握しているし、相手がバフしたユニットにとらわれずに、もっと広い視野でプレイしないとダメだなぁと思った場面でした。
俊敏4/7をしばらく顔面で受けるメンタル
tarakoman選手が「グラビモス」を放置したことで、「俊敏」も付与されてヒーローに直接ダメージがバンバン入ってしまいます。
それでも上段の「ガイル」が破壊されて探索が3回に達するまで、ひたすら顔面で攻撃を受け続けるそのメンタルが凄いです。
恐らく初手から手札にある「ナッシュ」と「抗体の活性化」付与で4/12連撃シールド付きにして「グラビモス」を止めるプランは早めからあったのだと思います。
しかしそれを「ガイル」が破壊されるまで待つのは私には到底できない選択です。
自分の場合だと、手札にあった「カルロス・オリヴェイラ」で探索回数を3回にしつつ、「抗体の活性化」で4/6シールド付きで「グラビモス」の対面に出していたと思います。
それだと「グラビモス」も破壊できますし、ヒーローへのダメージも8はブロック出来ていました。
しかし「グラビモス」の後に出てくる敵ユニットとの戦闘や、「G」による成長ばら撒きダメージを考慮すると、結果的にスタッツが高い「ナッシュ」を出すまで我慢していたtarakoman選手の判断は正解でした。
というか、やはり「ナッシュ」に「抗体の活性化」の組み合わせが強いです。
今思えばこの4/12連撃シールド付き「ナッシュ」であれば、最高まで成長したあの6/18「双角猛る砂漠の暴君ディアブロス」でさえ相討ちが取れます(ブロックからでは不可)。
ここから一気にジル側に試合は傾いてtarakoman選手の勝利となります。
「ガイル」を「グラビモス」対面に出していた場合
下記は最初の「ガイル」を「グラビモス」の対面に出していた場合に、なっていたであろう中盤の状況です。
(「グラビモス」が破壊されるであろうタイミングでの予想になります)
- ジル側ユニット:4/12連撃「ナッシュ」(シールドはグラビモスブロック時に剥がれる想定)
- 春麗側ユニット:2/5「クルルヤック」、1/5シールド付き「アイリス」
- ジル側MP:5.5
- 春麗側MP:11(俊敏を使用しない想定&アイリスのブースト込)
- ジル側HP:23(アイリスとクルルヤックのダメージで想定)
- 春麗側HP:22(アイリス破壊後のガイルのダメージは通らない想定)
「ガイル」破壊後に探索3回が溜まるので、恐らくそこで2枚目の「ガイル」の代わりに「抗体の活性化」付き「ナッシュ」が出てきて「グラビモス」を止めていたであろう状況です。
MPにおいては「あくび」の効果で差がついてしまいますが、盤面的には悪くない状況ですし、「グラビモス」の攻撃を防いだ分HPはまだ高く保たれています。
しかし実際に盤面に出ているユニットのコストを合計すると
- ジル側MP+盤面コスト合計:9.5
- 春麗側MP+盤面コスト合計:20
「あくび」なしでも5以上のMP差がついています。
これがtarakoman選手が選択したプレイだと
- ジル側ユニット:2/1「ガイル」(相討ち寸前)、2/3「ガイル」
- 春麗側ユニット:2/1「クルルヤック」(相討ち寸前)、4/7俊敏「グラビモス」
- ジル側MP:5.5
- 春麗側MP:4.5
- ジル側HP:16
- 春麗側HP:20
そして合計比較は
- ジル側MP+盤面コスト合計:13.5
- 春麗側MP+盤面コスト合計:13.5(グラビモスは元コスト4に俊敏の1を足して5で計算)
といった感じで合計コスト面で互角の状況です。
ここからtarakoman選手はコストの割に強力なスタッツの「ナッシュ」でこの盤面上におけるコストをひっくり返していくわけです。
しかしもし「ガイル」で「グラビモス」をブロックしていた場合のMP差がついてしまっていた状況ならば、たとえ「ナッシュ」を出していても相手に対応されていたかも知れません。
そういった意味で、たとえヒーローのHPが削られることがあったとしても、序盤から有利トレードができるようなユニットの配置を心がけていたんじゃないかなぁと思います。
探索ジルと言えば、探索3回を達成出来るかどうかが重要になってくるわけですが、焦って目先の探索回数を稼ぐために不利なトレードを行わずに、丁寧に有利なトレードを行う大切さを学びました。
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